あなたが経済的に困窮する原因が判明!!~ その1
あなたは この国に こんなにも 大金を 払い続けている!!
徹底調査!60歳まで働いた人は、
一体いくら税金を納めてきたのか
「税金は払って当然のもの」。日本の税制では、こう刷り込まれている人が多い。
だが、本当にそうだろうか。
今まで支払ってきた金額を知れば、あなたの税に対する考え方は、一変するかもしれない。
毎月、天引きされ続け
あなたは、これまでの生涯で、どのくらいの税金を納めてきただろうか。
こう問われて、すぐに答えられる人はほとんどいないだろう。
一般的なサラリーマンであれば、所得税や住民税は源泉徴収される。
給与明細を眺めても、特に疑問を持つことはない。
消費税や固定資産税など、これまで生活にかかった税金を計算するのも難しい。
国民が自分の納税額を把握していないのは、「把握しにくい」税制になっているからだ。
法政大学教授で経済学者の小黒一正氏が語る。
「ほとんどのサラリーマンは 源泉徴収によって税金が天引きされているため、
納税額を把握できていません。自分で納めた税金の額を知ることは、
税金の使われ方を 詳しく知ることにつながります」
4月17日、財務省は「増税不要論」に対する反論をまとめた。
債務超過である日本の現状は、税金の追加徴収分をもってしか解消できない。
これが 財務省の論理だ。
だが、当の財務省の発表によれば、社会保障や公共事業など、
国の基本的な行政の財源となる一般会計税収は、’09年度は38.7兆円だった。
それが、’13年度で47.0兆円にまで増額し、’17年度には58.8兆円まで膨らんだ。
税収は、右肩上がりに増え続けているのだ。
では、自分一人だと、どのくらいの税金を支払っているのか。
今回本誌は、専門家の監修のもと、一般的なサラリーマンが生涯に支払う税額を調査した。
調査にあたっては、生涯収入を3億2000万円(大卒・大学院卒の男性の平均・ユースフル労働統計2018をもとに算出)に設定した。
これまで、どの程度のカネを国に納めてきたのか。
税の種類別に、順番に見ていこう。
一般的に、数ある税金のうち、国民がもっとも多く支払うことになるのは所得税だ。
平均的な一人当たりの総額は、1787.6万円に及ぶ。
初任給で 年収400万円の場合、所得税は年間8.6万円だが、
60歳まで働いた場合の 年収1185万円では、所得税は108.0万円になる。
所得が多いほど税率が高くなる、累進課税制度が取り入れられているからだ。
所得税の税収総額は、’09年度の12.9兆円から、’17年度には18.9兆円まで増額している。
わずか8年間で 6兆円が上積みされたことになるが、
なんと所得税は今後、さらに上昇する。
現在、控除の縮小と廃止が検討されているからだ。
「’18年度以降は、年収1220万円を超えると
配偶者控除(最大38万円)は適用されないように変更されました。
加えて、給与所得控除(最大220万円)の引き下げが検討されています」
(公認会計士・梅田泰宏氏)
所得税と同様、給与から天引きされるのが住民税だ。
生涯収入が 3億2000万円の場合、一人当たり 生涯に 総額1699.1万円を負担する。
「住民税は定額で納入する均等割(年額5000円)と、所得に応じて支払う 所得割の合計が
源泉徴収される仕組みになっています。
所得税と異なり、前年度分の給与をもとに徴収されるため、
定年後1年目に 前年度の給与分の負担を強いられるのが特徴です」(梅田氏)
’14年の税法改正により、住民税は全国一律で1000円上昇した。
生涯の総額で言えば、一人当たりの負担は約6万円分上昇したことになる。
ここで、下のグラフを見て欲しい。
生涯収入が3億2000万円の場合、毎年どの程度の税金を納めることになるのか、
シミュレーションしたものだ。
賃金が上がれば上がるほど、所得税や住民税が重くのしかかることがよくわかる。
以下では、グラフに登場するその他の税金について、解説を続けていこう。
※日常生活で支払う消費税を除いた試算
自動車は「走る税金の塊」
所得税・住民税とは異なり、日常生活で 毎日のように納めているのが消費税だ。
総務省の統計によれば、’17年の一世帯当たりの消費税の納税額は 年間24.0万円だ。
これをもとに計算すると、一人当たりの生涯負担額は、
所得税・住民税に次ぐ 1439.9万円となった。
消費税は、’14年4月1日に 税率が5%から8%へと引き上げられた。
’13年度の消費税収は 10.8兆円だったが、’14年度には16.0兆円にまで増額している。
財務省の試算によれば、消費税が10%に設定されれば、税収は 年計で
およそ4兆円も増えるという。
わずか6年前と比較して、毎年10兆円以上も多く、
強制的に 税金を徴収されることになるのだ。
「消費税は、年金、医療、介護の社会保障給付と、子育て支援を合わせた『社会保障4経費』に
全額充てられることが 消費税法で定められています。
’18年度の社会保障給付費の総額は 121.3兆円にも及び、年々膨らみ続けています。
つまり、社会保障4経費の支出に対し、税収が追い付いていないのです。
採算を合わせるため、ゆくゆくは 消費税率がさらに引き上げられる可能性もあります」
(税理士・安田大氏)
消費増税の影響は、高額な買い物になるほど大きくなる。
人生の中で 特に大きな買い物と言えば、自動車とマイホームだ。
この二つは、生活用品など、一般的な買い物とは違い、
消費税以外にも 多額の税金が課せられる。
まず、自動車を購入する際には、消費税に加え、
自動車取得税(自動車の購入代金の3%)がかかる。
200万円の車を購入すれば、その瞬間に 22万円の税金を納めたことになる。
さらに、自動車税(1000㏄以下の自動車の場合、2万9500円)が毎年徴収されるうえ、
車検の度に 自動車重量税(購入から12年以内の場合、年額1万円)を
まとめて納税する必要がある。
60年間、12年ごとに車を新調したとすると、自動車税は 207万円、
自動車重量税は 60万円も請求される。
実は、今年(2019年)10月1日以降、自動車取得税と自動車税は廃止される。
だが、税額が減るわけではない。
自動車取得税の代わりとして「環境性能割」、
自動車税の代わりとして「種別割」が、
新たに税金として設定されるからだ。
電気自動車など、一部のエコカーに対して 税率を軽減する一方で、
一般的な自動車に関する税率は ほとんど変わらない。
つまり、名称は変わるものの、
自動車取得税、自動車税は 実質的には「据え置き」のままだ。
自動車に関係する税金として、見落としやすいのが ガソリン税と石油税だ。
税法上、1ℓ に対し、合計で 56.6円が 上乗せされる仕組みになっている。
1ℓ 130円とすると、そのうち 約4割は税金だ。
60年間 車に乗り続けたとすれば、ガソリンだけで、実に
186万円分を、税金として支払うことになる。
つまり、自動車だけでも、生涯で 483万円もの税金を 納めることになるのだ。
たばこ税で600万円超
人生における 大きな買い物のもう一方、マイホームを見てみよう。
こちらも当然、購入する際に 消費税がかかるが、さらに3つの 特有の税金が課せられる。
「住宅の場合、軽減措置により 課税されない場合もありますが、
不動産取得税が 課税されます。
また、登記をする際に、固定資産税評価額の 0.15%の登録免許税が、
売買や建築の契約書には、印紙税(収入印紙)がかかります」(前出・安田氏)
例えば、固定資産税評価額が それぞれ 2000万円(100平方メートル)の家屋、
3000万円の土地の 計 5000万円分の不動産を購入したとする。
消費税は 家屋部分にのみ課税されるため、160万円となる。
さらに、不動産取得税が 21万円、登録免許税が20万円、印紙税が1万円かかる。
そして、不動産を保有していると、生涯 払い続けなければいけないのが 固定資産税だ。
固定資産税の納付通知は、毎年1月1日時点の所有者に、年に1回、4~6月頃に送付される。
これに従い、所有者は 4月から翌年3月まで、
1年間分の固定資産税を 先払いすることになる。 税率は1.4%だ。
家屋は 10年ごとに 評価額が下がるが、土地はそうはいかない。
先述の不動産を 55年間保有した場合、
575.2万円もの 固定資産税がかかる試算となった。
ここまで触れたのは、誰もが共通して 課される税金だ。
(→ 続く) )